行政書士試験という国家試験を「法律ど素人の40代のおっさん」が、過去問だけを独学で勉強して合格することが出来るのか?、というのを実際に行ってみたという記事です。
勉強の仕方は、こちらの『行政書士5年間の過去問題集』を使用して、解説を見ながら、スマホで調べ
ながら、黙々と過去問を解いていくという方法で行います。
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その勉強の過程で、調べたことや問題を正解するのに必要だった知識を書いていこう
と思います。
勉強中の身ですので、記事内容で解釈が間違っていることもあると思われますので、ご了承
ください。
前回の記事の続き、『平成25年度 行政書士試験問題の問4の(2)』から、始めたいと思います。
目次
行政書士試験、過去問を暗記する方法で受かるのか!?
行政書士試験、平成25年度 問4の(2)
前回の続き、平成25年度、行政書士試験の『問4の(2)』から始めていきます。
問4
(2)
昭和女子大事件の判例からの問題です。
昭和女子大事件とは?
大学に無届で政治活動を行っていた、学生XとYさん、大学側は「政治活動を行う場合は予め大学当局に
届け、指導を受けなければならない」と定めていました。
大学は、XとYさんとその保護者に対して3カ月に渡り説得しましたが、態度は変わらなかった為、二人
を退学処分にしました。
これに対して、XとYさんが訴えました。
論点
① 憲法『9条、21条、23条』の自由権的基本権の保障が私人間にも適用されるのか?
結論は?
憲法は、国又は地方団体と、個人、との間の規律なので適用されない。
大学側に憲法違反がない上で、教育の為の公共施設において校風、教育方針に反している事による
退学処分は、『学生の自由に対する不合理な制限ではない。』
という判決になりました。
ですので(2)は、間違っている。となります。
行政書士試験、平成25年度、問4の(3)
続いて、平成25年度、行政書士試験の『問4の(3)』の問題です。
問4
(3)
『日産自動車事件』の判例からの出題です。
『日産自動車事件』とは?
女性Xさんの勤務先の就業規則では、定年を男性55歳、女性を50歳と定めていた。
50歳が近づいたXさんは、男性と女性の定年年齢が異なるのは、憲法14条、民法90条
に違反する訴えた。
憲法14条とは? → 「個人の基本的自由と平等の保障」
しかし憲法は基本的に、「国や地方団体と個人」との規律であって「私人(個人・法人)」に直接規律する
ものではなかったはず。
民法90条とは → 「私人生活の自由、善良な風俗、常識、公の秩序」法そのもの、公序良俗(こうじょ
りょうぞく)を定めている。
民法は私人間の争いで適用される。
結論
定年年齢が異なるのは、性別のみによる不合理な差別として民法90条の規定に反している
ので、無効である。となりました。
判例のその後
その後、『男女雇用機会均等法』により男女別定年制の禁止が定められたそうな。
という事で、(3)は間違っています。
行政書士試験、平成25年度、問4の(4)
続いて、平成25年度、行政書士試験の『問4の(4)』の問題です。
問4
(4)
『百里基地(ひゃくりきち)訴訟』の判例からの出題です。
『百里基地訴訟』とは?
航空自衛隊百里基地の予定地に土地を持つ土地所有者Xさんは、基地反対派のYさんの売却する
契約をしました。
しかしYさんが代金を全額支払わなかった為、代金の未払いを理由に売買契約を解除しXさんは
土地を国に売却しました。
Xさん側は
Xさんと国(当時の防衛庁)は、Yさんに対して、Y名義になっていた土地の登記抹消と所有権確認を求める
訴訟を起こしました。
Yさん側は
自らの土地所有権を求める反訴とXさんが国へ土地を売り渡したのは『憲法9条』に違反すると主張。
憲法9条とは? → シンプルにしますと、「戦争をしません、戦力も持ちません、交戦する権利を認めません。」
という法律。
自衛隊は『戦力』なのでは?という意見もありますが、憲法13条に「国民の生命や自由は国の政治上最も尊重
される」とされている為、憲法9条には違反しているが、13条を行う為に必要という微妙な解釈らしい・・・。
結論
国が私人と対等の立場に立って締結する私法上の契約は、実質的にみて公権力(国や市区町村が国民に対して命令する事)
の発動でない限り、憲法9条の適用を直接受けない。
だから、9条とか関係ないから・・・・。みたいな判決が出た。
9条を掘り返して議論されたくなかったのか?
とにかく、(4)は、正しい。
行政書士試験、平成25年度、問4の(5)
続いて、平成25年度、行政書士試験の『問4の(5)』の問題です。
問4
(5)
問4の(1)同様に、『三菱樹脂事件』の判例からの出題です。
『三菱樹脂事件』とは?
大卒のX君が就職時、「3ヶ月の試用期間の後に雇用契約を解除することが出来る」という条件付きで
会社に採用されました。
X君は採用試験の際に「学生運動に参加したことはないか?」の問に「参加していない」と回答。
後に政治活動に参加していたことが発覚して、試用期間満了の際に本採用を拒否した。
これに対し、X君が会社を訴えました。
結論
起業が労働者を雇う場合「雇入れ」をするかしないかの企業側の自由は認められる。
起業が採用後に当初知ることが出来なかった事で、客観的に相当であると認められる場合には
認めるが、そこまでに至らない場合は認めない。
という事で、企業は従業員雇入れを拒めますし、雇った後の不利益な取り扱いは違法なので
(5)は、間違っています。
まとめ
今回で平成25年行政書士試験の過去問の問5まで行きました。
先は長いですが次の記事に続きます。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
それでは、次記事も宜しくお願い致します。エーチュボース!!
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