実務者研修の経管栄養、実技テストとは?

介護職の『実務者研修』で行う、実技テストで『経管栄養』というものがあります。『経管栄養』とは、主に口から食事をとれない方が行う行為で、チューブを挿入して、そこから『胃』や『腸』へ栄養剤を直接注入する方法になります。

 

実際に『実務者研修』で行う実技試験は、『胃ろう・腸ろう経管栄養』(主におなかのチューブなどから)と『経鼻経管栄養』(鼻からチューブを入れて)の2種類の試験を行います。

 

その実技試験の、手順などを紹介いたします。

 

※試験を行ったときの状態、法律、教わる先生、訓練場所などで内容が違ってくる可能性もありますので、あくまで、この時はこんな感じだったという、参考程度で読んでください。

 

 

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経管栄養(けいかんえいよう)の実技試験とは?

経管栄養の合格基準は?

経管栄養の実技テストは、2種類あります。

 

① 胃ろう・腸ろう経管栄養

 

② 経鼻経管栄養

 

 

まず、『胃ろう・腸ろう経管栄養』を5回行います、5回目が最終テストで5回目だけ基準に達していれば合格になります。

 

『胃ろう・腸ろう経管栄養』が合格しますと、『経鼻経管栄養』に進めます、こちらも5回実施して、5回目の最終テストが基準に達していれば、合格となります。

 

 

必要な道具、物品は?

必要な備品は以下になります。試験時は、事前に用意されています。

 

① 実技を行う用の『人形』

 

② イリゲーター(栄養剤を入れる容器、つり下げれるタイプ)

 

③ 経管栄養剤

 

④ 栄養点滴チューブ、点滴スタンド

 

⑤ 計量カップ×2

 

⑥ カテーテルチップシリンジ

 

⑦ 白湯(さゆ)

 

⑧ 清潔なタオル

 

⑨ 50センチものさし

 

⑩ 時計

 

⑪ 医者の指示書

 

など

 

 

胃ろう・腸ろう経管栄養の試験手順は?

実際に行った、実技試験の手順を記載します。セリフは、大事な部分が抜けていなければ、アレンジ可能です。

 

 

① 『これから、胃ろう(腸ろう)の経管栄養を始めます。』

 

② 『まず、指示書確認します。』

 

③ 『OO様、60歳、昼の12時より、E液200ミリリットルを2時間で注入します、注意点、注入時のむせ込みに注意します。』

 

④ 『手を洗いました。』

 

⑤ 『準備します。』ここで、栄養剤を指示書と照合して、計量カップに指示量だけ入れます。

 

⑥ 『指示量確認しました。OO様、栄養剤、適温です。』と容器に触れ温度の確認をします。

 

⑦ イルリガートルと栄養点滴チューブを接続し、クレンメを閉じ、イルリガートルのフタを開け、適量にはかった栄養剤を入れます。

 

ふたを閉め、点滴スタンドにつるします。

 

点滴筒を少し押して、点滴筒に半分ほど栄養剤を入れます。

 

更に、クレンメを開き、チューブの先端まで栄養剤を行き渡らせ、クレンメを閉じます。

 

栄養点滴チューブの先端を、清潔なタオルでくるみます。

 

 

  • ここまでが、バックヤードでの備品準備工程になります。点滴スタンドと点滴チューブ先端をくるんだタオルを持ち、利用者様の部屋に向かいます。

 

 

⑧ ノックをして『こんにちは』と部屋に入ります。

 

⑨ 『12時の、お食事の時間です。OO様で間違えないでしょうか。』

 

『2時間かけて、胃ろうからお食事を入れます、よろしいでしょうか?』

 

『OO様、もう一度お名前確認いたします。』点滴スタンドからイルリガートルを外し、イルリガートルに書いてある名前を見てもらい確認してもらいます。

 

『OO様、ベットを上げて姿勢を整えます。これでよろしいでしょうか。』

 

ものさしで、『液面50センチ以上です。』と確認する。

 

 

  • ここから、利用者さんの状態確認と栄養剤注入にはいります。

 

 

⑩ 『OO様、口と鼻と、おなかを見せてください。』と伝え、腹部や経管栄養チューブの外れ、ねじれなどを確認する。

 

⑪ タオルなどの上で、「栄養点滴チューブの先端」と「経管栄養チューブの先端」を接続します。

 

⑫ 『OO様、お食事を始めますね』と声をかけ、クレンメ2カ所を外します。

 

⑬ 点滴筒を見ながら「2秒に1滴」で注入します。時計をお見て合わせます。

 

⑭ 『むせや吐き気、胃もたれなどはありませんね。』と声をかけ確認します。

 

『では、30分後にまた伺います。』と伝え、退出します。

 

 

  • 30~40分後に再度訪問した設定で部屋に入ります。

 

 

⑮ 『OO様、むせこみや苦しいところはないですか?顔色や表情は良いようですね。』

 

『体のズレを直しましょう。』と適切な体位に整えます。

 

栄養剤の残量、滴下状態を時計で確認し『滴下は順調です。』と伝えます。

 

『挿入部からの漏れはありませんので、安心してください。』

 

『吐き気や、おなかの張りなど不快なことはないですか?おなかを触らせてもらいます、順調ですね。』と伝え、全身や挿入部を確認します。

 

『終わった頃にまた来ます。』といい退出します。

 

 

 

  • ここからバックヤードで白湯の準備をします。

 

 

⑯ バックヤードで、白湯をシリンジに10~30ミリリットル用意。

 

 

  • 白湯入りのシリンジを持って、再度、利用者様の部屋へ訪問します。

 

 

⑰ 『OO様、お食事が終わりました。これから白湯を注入します。』

 

⑱ クレンメ2カ所を閉め、チューブの接続を外し、経管栄養のチューブにシリンジを取り付け、点滴側のチューブをイルリガートルのところにはめておきます。

 

経管栄養チューブのクレンメを開けて白湯を注入します。

 

『変わりないですか』と声をかけ、表情、状態を確認する。

 

経管栄養チューブのクレンメを閉め、シリンダーを外しフタをし、再度、利用者様を観察する。

 

『お疲れ様でした。30分ほど、このまま体を起こしておいてくださいね。』と半坐位でいることを納得してもらい、退出します。

 

 

  • ここで、一度報告します。

 

 

⑲ 『報告します。OO様、経管栄養12時よりE液200ミリリットルを2時間で注入しました。呼吸テ表情も普段通りで、吐き気、嘔吐、腹痛など以上ありません。』と報告します。

 

 

  • 30~40分後に再度訪問した設定で部屋に入ります。

 

 

⑳ 『OO様、ご気分はいかがでしょうか?体制を戻しますね。ご苦労様でした。』と伝え退出します。

 

 

  • 最後の報告を実施します。

 

 

㉑ 『ヒヤリハット・アクシデントはありません。』『片付けと、記録に記入は完了しています。』

 

 

 

と・・これで終了です・・・・セリフ多過ぎ・・・・。長かった・・・。

 

 

経鼻経管栄養の試験手順は?

『胃ろう・腸ろう』の手順と、ほとんど同じなのですが、ちょっと変わっている部分だけ紹介します。

 

 

① 『これから、経鼻経管栄養を始めます。』

 

⑨ 『2時間かけて、鼻からお食事を入れます、よろしいでしょうか?』

 

⑪ タオルなどの上で、「栄養点滴チューブの先端」と「経管栄養チューブの先端」を接続します。

鼻からのチューブはクレンメがない為、チューブを手で折り、手動クレンメを作った状態で接続します。

 

⑫ 『OO様、お食事を始めますね』と声をかけ、クレンメ1カ所を外します。

 

⑱ 点滴側クレンメ1カ所を閉め、経管栄養のチューブを折りながらチューブの接続を外し、経管栄養のチューブにシリンジを取り付け、点滴側のチューブをイルリガートルのところにはめておきます。

 

経管栄養チューブのクレンメを開けて白湯を注入します。

 

『変わりないですか』と声をかけ、表情、状態を確認する。

 

経管栄養チューブをてで折り閉め、シリンダーを外しフタをし、再度、利用者様を観察する。

 

『お疲れ様でした。30分ほど、このまま体を起こしておいてくださいね。』と半坐位でいることを納得してもらい、退出します。

 

 

 

この数カ所が、『胃ろう・腸ろう』の経管栄養との違いです、鼻からのチューブにクレンメがないので、手でチューブを折りクレンメがわりにする所だけ、手順が増えています、後はセリフも同じです。

 

まとめ

 

『経管栄養』はセリフが多く、似たように様子をうかがう工程が多いので、間違えやすいです!!

 

セリフも多いし・・・無理でしょ・・・覚えるの・・・でも頑張りましょう。

 

 

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