前回の記事同様、介護職の『実務者研修』で実際行った、喀痰吸引の実技試験を紹介します。前記事で、入りきらなかった、『気管カニューレ内』の喀痰吸引の実技テストの手順を記載します。
※試験を行う年、講師の先生、会場、法律などで内容が違ってくると思いますので、あくまで、この時はこんな感じだったという、参考程度で読んでください。
目次
気管カニューレ内部、喀痰吸引の実技試験!
喀痰吸引の合格基準は?
気管カニューレ内部からの喀痰吸引も5回の実技を行います。
1~4回は、失敗しても大丈夫ですが、5回目が本番で受からなければいけません。
逆に1~4回うまくいっても、5回目に失敗すると、失格になります。
必要な道具、物品は?
試験会場に、用意されています、備品は以下になります。
① 実技を行う用の『人形』
② 吸引器
③ 滅菌手袋×1
④ 吸引チューブ、気管カニューレ用×1
⑤ 滅菌清浄綿、滅菌精製水、ゴミ袋
⑥ 医者の指示書
気管カニューレ内部、喀痰吸引の試験手順は?
実際に行った、実技試験の手順を記載します。セリフは自己流なところもありますので、大事な部分が抜けていなければOKですので、各所変更も可能です。
① 『これから、気管カニューレ内部喀痰吸引を行います。』
② 『まず、指示書確認します。』
③ 『OO様、90歳、吸引圧20キロパスカル、気管カニューレ内部の吸引時間10秒以内、注意点、高齢者のため耳が遠いのでゆっくりと説明します。』と指示書を読み上げます。
④ 『手を洗います。』
⑤ 『備品準備、電源確認実施します。』ここで、備品を確認し、吸引器の電源を入れ、吸引圧がかかるかチェックします、その後、吸引器はまた電源を切っておきます。
⑥ 『運びます、適正に配置します。』ここで、利用者さんの比較に配置する動きをします。
- ここまでが、作業内容と、備品配置の確認の作業になります、次は利用者さんに直接話しかけます。
⑦ 『OO様、少し痰(たん)の音がしていますね、吸引しましょう、よろしいですか?』
『準備しますね、カーテンを閉めます。』『痰が出やすいように体の向きを変えますね。』
『口と鼻、気管カニューレを見せてください。』と声をかけ、口腔内、鼻腔内、気管カニューレ周辺の皮膚状態の確認、ひもの緩み確認、カフ圧の確認を実施します。
⑧ チューブ保管容器、洗浄水容器、清浄綿の容器、のフタを開ける。
⑨ 滅菌袋に入った、吸引チューブを取り出しやすいように、滅菌袋の上部を10センチほどはがしておく。
⑩ 滅菌手袋を装着する。
⑪ 利き腕で清浄綿を取り、小指あたりに持っておく、利き手じゃない方の手で、滅菌袋に入ったチューブを持ち、利き腕でチューブの接続部を持ちながら清潔に取り出す。滅菌袋は破棄する。
利き腕じゃない方の手で、吸引器側のチューブを持ち、利き腕のチューブと接続する、利き腕の手は、チューブ先端から10センチのところを、持つ。
利き腕じゃない方の手で、吸引器の電源を入れ、利き腕のチューブで、滅菌精製水を吸い、吸引圧『20キロパスカル』を、吸引器のメーターを見て目視確認する。
滅菌精製水の通水が終わった後、トレイの上で、チューブのしずくをしっかり切る。
- ここまでで、吸引準備完了です、直接利用者さんに許可を取ります。
⑫ 『OO様、これから気管カニューレから痰を取っていきます、よろしいですか?』と同意をとる。
⑬ 吸引チューブの根元を半開きに塞ぎながら、チューブ先端を気管カニューレ内部へ挿入する。
チューブを塞いでいた指を離し、痰を吸引する。
チューブを、抜くときは、チューブが張り付かないように、チューブを回しながら抜く。
⑭ 吸引物や利用者さんを確認する。
⑮ 『OO様、終わりました、お疲れ様でした。』と伝える。
- ここで、吸引完了です、ここからは、片付けと利用者さんの状態確認を行います。
⑯ 利き手に持っていた、清浄綿でチューブを接続面から先端に向かって拭き、清浄綿を廃棄する。
再度、利き手でチューブを持ち、滅菌精製水でチューブ内を洗浄する、その後、利き手ではない方で、吸引器の電源を切り、吸引器側チューブと利き手のチューブを切り離し、『吸引チューブは廃棄します』といって、チューブを廃棄する。
手袋が汚れてている面を内側にして、素手部分が汚れている面を触らないよう外し、廃棄する。
各容器の、フタを閉める。
⑰ 『OO様、痰が残っているような感じは、ないですか?』『お疲れ様でした、姿勢を戻しますね。』
『痰の音はなくなりましたね、もう一度、鼻と口と気管カニューレを確認します、出血もないようですね。』と伝え、この時に、口腔内、鼻腔内、気管カニューレ周辺の皮膚状態の確認、ひもの緩み確認、カフ圧の確認を実施します。
『顔色、呼吸も前より良くなりましたね、辛いところはないですか?、なければこれで終了させていただきます。』
吸引物の入っている、吸引瓶の量を確認して、カーテンを閉め退出する。
- ここまでで、作業が完了し、結果を報告に行きます。
⑱ 『手洗いします。』
⑲ 『報告します、OO様、~時より、気管カニューレから喀痰吸引行いました、白くてさらさらした痰が少量引けました、顔色、呼吸、全身の状態変化、出血等ございません。気管カニューレ周辺の皮膚トラブル、ひもの緩み、カフの空気抜けございません。』
『ヒヤリハット、アクシデントはありません。』
『吸入瓶は80パーセント未満の為、交換していません。』
『使用物品を片付けて、記録に記入しました。』
- これで、『気管カニューレ内部喀痰吸引』の実技テスト完了です。
まとめ
今回の『気管カニューレ内部喀痰吸引』実技テスト手順で、『喀痰吸引』の3種類のテスト行程の紹介は完了です。
いや~非常に緊張します・・・。興味のある方は覚えてください。
そして、実技試験はこれで終わりじゃなく、次は『経管栄養』の実技に入っていきます。
この手順は、また次回、紹介いたします。
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