身近にいる人が、認知症になったら・・・・。認知症は発症してしまった本人もつらい、周りの方もつらい病気です。
本人の為に一生懸命に介助をするが、本人は忘れてしまう、あんなに立派だった父母が、子供みたいに暴れてる、自分が親を叱って教えなければならない、など本人および周りの方も精神的に辛く、心が壊れてしまいます。
では、どのように接していくべきか・・・。
まず、認知症を知る事から始めましょう。
目次
認知症の人はご自分をどう思っているか?
どうしても援助する側の大変さが多すぎて、なかなか見落としてしまうのですが、病気になったご本人はご自身をどう感じているのでしょう?、何も感じなくなってしまうのでしょうか。
認知症になったご本人の感情を、知っていこうと思います。
認知症の方の思考は?
≪ 認知症になった方ご本人は・・・ ≫
- ご自身は、いろんな事を出来なくなっていく事に気づいている。
- ご自身が一番戸惑っていて、一番もどかしい。
- 最近の記憶から徐々に過去にさかのぼって忘れて行くので「何も分からなくなるわけではない」。
- ご自身にとって理解できない環境におかれると混乱してしまう。
- 一般的に問題行動と呼ばれる行動がご自身の中では普通の行動に感じる。
- 認知症になって、逆に鋭敏になる感覚があり、不快に感じる事がある。それを押えられずパニックになる。
問題行動の裏にある感情は?
代表的な認知症の症状で、通常ですと問題行動と、とられてしまうような行動の裏にあるものを、知っていこうと思います。
① 叫ぶ、声を荒げて怒る、たたく。
ご自身の身体の環境、痛みや、空腹感、眠気、もしくは周りの環境、音がうるさい、暑い、寒い、臭い、などの環境におかれていると、それが不安、悲しみ、さみしさ、怒りなどの気持ちに変わり、うまく自分でもわからず問題行動となってしまう。
② 体に触ると殴る
「体を拭く」という事が理解できず、介助する行動が、ご自身への攻撃行動と感じてしまい、抵抗したり暴れたりしてしまう。
③ 便などを触る、投げる
認知症になりますと、とっさに起こった事を解釈する事が出来なくなっていますので、困惑して単純な行動を起こしてしまう事になります。
お尻が気持ち悪かったりしますと、とっさの反応でそれを触り、「手を洗う」という事が理解できず、その辺になすりつけて、手をきれいにする、といった行動になります。
ご本人は、汚れた手を拭いただけ、何も悪い事はしていないという認識になります。
それを注意されると、混乱して感情的になります。
④ 紙などを食べてしまう
ご本人は、食べたいわけではなく、「目につくもの=口に運ぶという行動」に結びついてしまっているだけで、側頭葉の不具合で起こる行動だそうです。
⑤ 収集癖
同じものを、買ったり、持ってきてしまう。
本人は、集めた直後には、その事を忘れてしまいますので、再度その行為を繰り返します。
ご本人は、まだ集めていない時に戻っておりますので、「この前買った」など否定されると、嘘をつかれていると感じ、不快な思いをします。
⑥ 幻覚
家に人がいる、音がする、虫がいる、などの幻視、幻聴は、ご本人が目で見た情報を元に、脳がつくりだしている映像や音ですので、ご本人からすれば実在するものと同じく感じ、見わけ聞きわけはできません。
⑦ 妄相
「食事に毒が入っている」「お金を盗まれた」「誰かが家に入ってきた」など、ありえないような事を言う行動ですが、こちらもご本人の、不安感、恐怖などの感情から、脳がつくりだしたものを描いていますので、否定をしても逆効果になります。
ご本人からすれば、本当におきた事になります。
認知症の方への正しい接し方は?
ここまで、認知症の方ご本人の目線でいろいろ見て来ましたが、共通するところは、『ご本人の世界観ではすべて正しい行動』になる事だと思います。
ですので、いきなりその行動を『否定』や『注意』などはせずに、こうだったから、こうゆう行動に出てしまったんだな・・と、ではそうならないように環境を工夫してあげるというのが大事だと思います。
そして、援助する側も、楽になるように、家の物の配置を変えたり、本人に注意する以外で、何かを変えたら症状が治まった、などを早く探して、まず援助者ご自身もどうすれば怒らず、楽できるか・・から考えてみる事が大事だと思います。
まとめ
認知症になってしまった方の思考を知る事で、少し介護に対する思いが変わってくると思います。
不安な気持ちをうまく表現できなくなってしまい、問題行動をとってしまうわけです、その根本にある原因に気づいてあげるというのが大事になってきます。
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